日本語教員採用試験⑤コミュニケーション能力

日本語教員採用試験

ハイムズ

☆コミュニケーション能力=伝達能力1972年、アメリカの言語学者デル・ハイムズが「コミュニケーション能力」という概念を発表した

コミュニケーション能力とは言葉や文章を正しく作って話すだけでなく雰囲気や場面、相手に応じたふさわしい言葉を選んだり言葉以外を含めた効果的な伝達方法を選んだりできる能力

いつ、どこで、どのように言うべきかを判断できる能力

このコミュニケーション能力の育成を教授理念にした教授方法「コミュニカティブアプローチ」

コミュニカティブアプローチタスク中心の教授法などにも影響を与えた

コミュニケーション能力=伝達能力 コミュニケーションコンピテンツ

ハイムズのコミュニケーション能力を基礎として国際交流基金では「JF日本語スタンダード」を作成

カナルとスウェイン

「コミュニケーション能力」を4つに分けた

1980年ハイムズが発表した「コミュニケーション能力」をマイケル・カナルとメリル・スウェインという弟子二人の言語学者がさらに4つに分けた。

①文法能力

②社会言語学的能力

③ストラテジー能力

④談話能力

文法能力

語や文法、話、表現などを正確に組み立てて使用できる能力。発音や文字表記も含む。

社会言語学的能力

文化や社会的習慣、場面や相手に応じて適切な言葉・非言語表現を選んでコミュニケーションできるの能力。

・相手の名前や役職で表現する

・相手や場面によって敬語を使用する

ストラテジー能力

コミュニケーションを円滑に行うための能力。適切な言葉が思いつかないときに何か他の言葉で言い換える、ジェスチャーを使って表現するなどの能力.

相手の言っていることがわからない、自分の言っていることが伝わらないときに何とかして修復させる能力もストラテジー能力

<タローンの「コミュニケーションストラテジー」>

①回避→語彙力がなくて表現できないものは言わない、複雑な構造の文を単純な構造の文で表現する

②言い換え→似ている別の言葉で言い換える。適切な語を使わず表現したい別の言い方で説明する。

③母語使用、意味的な転移→母語、または他の言語の翻訳に依存する。わからないときに英語で言うなど。

④援助要求→学習者が母語話者に助けを求めたり、辞書を使ったりすること。

⑤ジェスチャー→身振り手振りで表現する

談話能力

文よりも上のレベルにおける発話を理解し構成する能力。「話をはじめて、続けて、終わらせる」能力。本題以外の雑談などの関係のないことも含めて持続させる能力も談話能力。「あの~」と言って話しかけるフィラーを利用し談話を円滑に進めていくことも談話能力。

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